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一行小説

条三十

 風に弄ばれて紙袋が舞い上がる、ビルとビルに区切られた細い空を見上げその行く末を見届けていると、袋は墨を吐いて逃げる蛸のように膨らんだり萎んだりしながら飛んでいってしまった、あれも誰かに捕まるのを恐れているのだろうか。【逃】

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一行小説

主演人生

 この人生の主役が己だというのなら、さながら瞼は開きゆく幕であり、日々の営みは筋書きのない即興劇に相違ないのでしょう、現実と虚構を混同していると彼らは指弾しますが、逆にこうしている今が真実であるという証明はどうしたらできるのでしょうか、疑問に答える人はついぞ現れぬまま、今日も慌ただしく幕があがります。

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書庫

硝子の烏

がらすのからす
からからないた
からすとがらす
はらはらはいた

はなうたかなた
あしどりかるく
おしどりかたる
あしたのあなた

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一行小説

条二十

 起床して身支度をする際、鏡に映った自分の顔へ必ずひとつ嘘をついてみるという他愛のない遊びを習慣としてから僅か一週間後、毎朝くだらない内容で騙されるのに嫌気が差したのか、遂に鏡の中の俺はどこかへ行ってしまい、それから二度と戻ってくることはなかった。【冗】

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Antique

古物屋 Antique

『光ある所に影は立ち、光なき所に闇は満ちる。肉体の内は無明、即ち誰もが暗闇を持ち歩き生きている。太陽と月の黄金を両眼にはめて、猫は鍋のまわりを跳ねた』

  • 本名:アーデルハイト(Adelheid)
  • 身長:190cm
  • 誕生:6月6日
  • 性別:オス
  • 年齢:不詳(外見年齢30代半ば)
  • 初回:2015年2月10日
  • 巣鳥館 看板ネコ

イラスト:ユキマさん