常に二者択一を迫る迷宮へ迷い込んで、早くも五日が経過しようとしていた。
カテゴリー: 旧作書架
千の桜が連なる並木道、その外れは小高い丘に繋がっていて晴れた夜には月がよく見える、そこには生まれ故郷を思って空を見上げる朧兎が住み着いているという。
名は、紅百合という、別に自分で望んだ名前ではないけれど、生まれる前から定められてしまっているものへけちをつけるのも野暮だろう。
執事の言いつけを守らぬ子供は、コウノトリに攫われて帰ってこられなくなる。
たかが顔、されど顔。
常に二者択一を迫る迷宮へ迷い込んで、早くも五日が経過しようとしていた。
千の桜が連なる並木道、その外れは小高い丘に繋がっていて晴れた夜には月がよく見える、そこには生まれ故郷を思って空を見上げる朧兎が住み着いているという。
名は、紅百合という、別に自分で望んだ名前ではないけれど、生まれる前から定められてしまっているものへけちをつけるのも野暮だろう。
執事の言いつけを守らぬ子供は、コウノトリに攫われて帰ってこられなくなる。
たかが顔、されど顔。